on Pink Waves
on Pink Waves
サイズ
直径 約30cm × 奥行 約2cm × 3枚
素材
絹(表地)、木枠・綿化繊混紡(下地)
このキャンバスについて
海に囲まれている山を表現している着物キャンバスセットです。
三枚とも違う着物を使っていますが、三枚とも自然のモチーフと明るい珊瑚色を共通点にしています。
時期、ストーリー
こちらのキャンバスに使用されている着物三枚とも昭和後期に製作され使われていたものです。
色や文様の解説
左側のキャンバスは、元になった着物の青海波の装飾が、孔雀のようにも見え、オリエンタルな雰囲気も感じさせる珍しい紋様です。
青海波は、無限に広がる波の文様に未来永劫へと続く幸せへの願いと、人々の平安な暮らしへの願いが込められた縁起の良い柄とされています。
真ん中のキャンバスの着物は、一色の中に数種類の染め分けによって表現された遠山文の着物です。
遠くに見える山並みを文様化したもので、古くから絵画や工芸品にも表されてきました。染織品では険しい山ではなく、なだらかな半円形のものが多く用いられます。
右側のキャンバスの着物は、珊瑚色に染められた着物の地紋に、青海波の花びら紋様をあしらった菊青海が織られています。また裾や袖には鹿子絞りの技法で霞文が施されています。
菊青海は、不老長寿を意味する菊の花を、青海波に見立てた並べた柄です。絶えず繰り返す穏やかな波のように平穏がいつまでも続く事を意味しています。
霞文は、遠近感や時間の移り変わりを表現する意味でも用いられ、現れては消えるという意味で「永遠」を表すともいわれています。
袖や裾にあしらわれた鹿の子絞りは、丸い点の下絵を中心に布を四つ折りにして、その角を糸で7~8回ほどくくることを繰り返して、布を染める技法です。
糸でくくったところは白く四角く、角の先端はかすかに染められて点となって現れ、その形が子鹿の背に表われる白いまだら模様に見えることから、その名があります。
鹿は“神の使い”ともいわれ、縁起の良い動物であり、また生命力や繁殖力に優れることから、「子孫繁栄」の象徴として用いられています。
珊瑚色は現代ではサーモンピンクとも表現される、アカサンゴの骨軸のような明るい赤色のことです。特に赤珊瑚か桃色珊瑚の色からこの色名が生まれたと考えられます。江戸時代にはかんざしや玉などの宝飾品として人気がありました。
珊瑚は、仏教の経文の中で「七宝」のひとつとして記されています。この珊瑚を粉砕したものは、中国伝来の絵の具として日本画などにも用いられています。
生地の特徴など
左右のキャンバスの生地には、織りで表現されている青海波の紋様があります。
青海波の輪郭が光に当たり浮かび上がれば、美しく煌めく鱗のようにも見えます。
真ん中のキャンバスの無地と細かな柄の染め分けで見事に表現された遠山文は、霰、鮫などの小紋柄をそれぞれの山にあしらった寄せ小紋の技法が用いられています。
遠目から見れば無地のように見える繊細で高度な染色技術を用いて作られる江戸小紋は、江戸時代に誕生し、現代でもフォーマルな着物として非常にポピュラーで人気です。
デコレーションアドバイス
キャンバスはテーブルや壁などに飾ることができます。壁に掛けるにはフックか鋲か釘が必要です。イーゼルに立てかけて飾ることもできます。お部屋の模様替え、新築祝い、プレゼント、大切な方へのお土産に最適です。
注意事項
作品はアンティーク、ヴィンテージの着物を使用しております。そのため、長年愛用されてきた痕跡や生地の傷みがある場合がございます。傷や汚れがある場合は、商品ページにその部分の写真を追加しておりますので、ご購入前にご確認ください。注意事項・キャンセル・返金については、サイト内フッター部分の返金ポリシーをご確認ください。